2015年03月09日

柏祐賢『学問の道標』

柏祐賢『学問の道標―学究者におくる』(未来社、1984年)です。
みなさんのなかには研究者を志す人もいるでしょう。本書は、文系の研究者を
めざす人の心構えを説くために書かれた――そして、読む者の心を動かしうる――
数少ない書のひとつです。著者は京都学派、とりわけその方法論としては、
哲学者であった高坂正顕の影響を強く受けています。

学問とは一体なんであり、学問を志す研究者はいかなる人格を養わねばならないのか
――30年も前のものですが、著者の考え方を時代遅れと感じる者があるなら、それは、
時代の趨勢に流されることのない学問の本質をいまだ知らない者だと言わざる
をえないでしょう。すでに絶版となり、入手の非常に困難な書物ではありますが、
研究者をめざす人であれば、一度は目を通してもらいたいものです。

著者の「はしがき」を締めくくる言葉を記しておきましょう。
 
「これから、この学問研究の厳しい道にわけ入ろうとする諸君に、ここで強く申したい。
すなわち、この道の何であるかを十分にわきまえ、これこそ、自らの真に進むに値する
道であると自覚し、もってまっしぐらにつっ走ってもらいたい。学問の道は、
自らの生涯をかけ、燃え尽きるにふさわしい一本道である。」
posted by pilz at 22:23| 京都 ☔| 好きな本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする