2015年03月17日

利他的衝動

もうすぐ彼岸という時期になった。盆と彼岸には墓参りに行きたい
と思っているが、年々忙しくなってきてなかなか時間がとれない。
彼岸のつもりが、いつも1カ月も2カ月も遅れる。

幼いころ、祖母は毎月、祖父の命日が近づくと墓参りに行ったものだ。
墓へ続く道には急な坂道があって、花やらお供えものやらをどっさり積んだ
乳母車を祖母が押し切れなくると、ぼくが代わって押した。その坂道は
残っていて、いまでもそこを通る度に誇らしい気持ちになれる。

祖母は頼みごとをしない人だった。人に頼むぐらいなら、自分でなんとか
しようとする人だった。そして愛情に深い人だった。ある宗教家が
「利他的衝動」という言葉を使っていて感心したことがあるが、思えば、
祖母の行為は一種の衝動と言えるほどに強い動機から生じていた。この人の
すさまじい愛情がなければ、ぼくがここに存在することもなかっただろう。

人に頼みごとをしない祖母だったが、たったひとつ、くりかえしぼくに
頼んだことがある。「(自分が死んだ後も)おじいさんの墓参りに行っちゃって
(行ってあげてください)」ということだった。けっきょく、自分のことは
なにひとつ頼んでいないのである。
(祖母の記事が多くなりました。ご寛恕を。)
posted by pilz at 23:49| 京都 ☀| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする