2014年09月24日

「命の一滴 いただいて〜岩手・漆の里の四季〜」 (ハイビジョン特集)

コマーシャリズムやいっときの流行を追いかけ回すのは好きではない。
こういうのがNHKにも最近目立つようになってきて、NHK大好きなぼくは
いったいどうしたらよいものか困っていた。いっそ捨ててしまって
きれいさっぱり忘れてしまおうか、などとも思っていたのである。

ところが、「命の一滴 いただいて〜岩手・漆の里の四季〜」 を観てしまった。
「ヤノマミ 奥アマゾン 原初の森に生きる」(NHKスペシャル)は鳥肌の立つ
秀作だったが、これも出色の出来だった。どちらも、命についてまじめに考
えたいと思っているひとには格好の番組だと思えた。やはり、NHKとは
観ざるをえないものの名なのだ。優秀なピーナッツのひとつふたつもあれば、
それだけで柿の種一袋も食べられるのである。

「命の一滴」は、国産漆の大半を生産する山里で働く漆かき職人の1年を中心に
編まれている。6月にはじまる漆かき作業の前に職人は服装やすべての道具を新しくし、
神に祈り、神妙な面持ちで山に入る。漆かきは生きた漆の木肌に傷をつけることで
樹液を採るが、職人はそれを「殺生」とも「生殺し」とも表現していた。
殺生だという意識と、それでもやらねばならぬ生業(なりわい)であるという意識との
せめぎ合いがそうした面持ちを作るのだろう。穏やかに自宅で話す、
幾星霜を経たかのような職人の顔もまた印象的であった。

長野県にはキノコ狩りを「殺生」と表現する地方があると聞いたことがある。
posted by pilz at 22:00| 京都 ☔| Comment(0) | キノコ的逸品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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